【2025年夏】エアコンの正しい選び方と使い方

こんにちは、ベネッツの伊東です!
もうすでに暑くなってきたので、この夏は自分が溶けてしまうのではないかと心配な今日この頃です。
そんな今日は「エアコンの正しい選び方と使い方」を、どんな間取り・暮らし方でも使える“王道テクニック”でお話ししていきます!
夏本番になると「エアコンはつけっぱなし?それともこまめにオンオフしたほうがいい?」という疑問が必ず出てきますが、実は「知らなきゃ損!」なポイントがいっぱいあるんです。
高機能エアコンを買ったけど使いこなせていない方も多いはず。
私のようなズボラさんでも大丈夫なように、わかりやすくまとめましたので、ぜひ最後まで読んでくださいね!
目次
1. エアコン容量(畳数)の“盲点”
(1)畳数表示は昔の基準
エアコンのカタログを見ていると「6畳用」「8畳用」「14畳用」などの表示がありますが、これ、実は50年以上前の無断熱木造住宅を前提にした計算基準なんです。
今は高気密・高断熱住宅が当たり前の時代ですから、その畳数表示はもうあまりアテにできません。
例えば「6畳用エアコン」は、断熱性能がしっかりした家なら理論上30~36畳くらいまで対応できます。
つまり、昔の基準の約5~6倍の余裕があるんです。
(2)リビング用エアコンの目安は「14畳用・200V」
高性能住宅のリビングであれば、14畳用(およそ2.8~3.6kW相当)の200Vエアコンで、だいたい30~35畳くらいまでまかなえます。
これだけあれば、日射や家族団らん時の熱負荷も安心。
200V機は効率もいいので、電気代も少し節約できるのでおススメです。
でも、販売店さんに「20畳以上いるでしょ?」と勧められても、断熱性能や家族構成を考えずに“カタログ上の畳数”だけで買うとオーバースペックになりがち。「どうせ大は小を兼ねるでしょ?」と思っても、逆に冷えすぎや電気代増の原因になるので要注意です。
(3)寝室や子ども部屋には“6~8畳用”を柔軟に活用
「寝室は6畳だから6畳用を買おう」と考える方も多いですが、そのまま当てはめると意外と冷えすぎちゃって、「冷えすぎ→切る→暑い…」のループに陥る可能性もあります。断熱性能のいい家なら、6畳用エアコンでリビング換算30畳相当というイメージですね。
※我が家は8畳用のエアコン(当時、価格ドットコムで8万円)のエアコンで30畳の冷暖房をしています!しかも当時の性能は今建てている家の性能の約7割…
とはいえ、6畳用のエアコンがほぼほぼ最小のサイズなので、そこでオススメなのが「弱冷房」です。弱冷房とは、送風ファンで弱く冷やし続ける運転で、部屋をほんのり涼しくしておくイメージ。冷えすぎず、消した後に急速に暑くなるのを防いでくれるので、寝苦しい夜もラクになりますよ。
2. エアコンを何台設置すべきか
(1)最低でも2台は必須
「リビングに1台だけあればいいだろう」と思う方もいますが、夏のピーク時に1台だけだと故障したときはマジでヤバいです…!
修理業者さんも繁忙期はなかなか対応してくれないので、最低でも2台は設置しておきましょう。
どちらか1台が止まっても、もう1台である程度しのげるようにしておくと安心です。
(2)全館空調(ダクト式)の注意点
おしゃれに聞こえる業務用ダクト式全館空調もありますが、結構デメリットがあります。長年使うとダクト内部にホコリや汚れがたまり、フィルター掃除だけでは100%防ぎきれません。
そのまま汚れた空気を部屋に送ると衛生面でも不安が残ります。
なので家庭用の個別エアコンを複数台使うほうが、気軽にメンテナンスできて結果的に安心。衛生面やランニングコストの面でも、複数台運用がおすすめです。
(3)ベネッツが推奨する組み合わせ例
- リビング(1階):14畳用・200Vのメインエアコンを設置。断熱性能が高い家なら30畳相当をまかなえる余裕があります。フィルター自動掃除機能付きなら掃除頻度も半分に。
- 2階(複数):屋根裏設置型エアコンで、6~8畳用を1台載せて弱冷房で各部屋に送風する形が快適です!
もしくは各居室に個別エアコン(6畳・8畳用)を設置できるように、建築中に先行でダクトと電源設置をするようにして、熱い寒いという個人の体感で暮らしづらくならないように、複数台での運用が基本です! - 2階ホールに設置:廊下(ホール)に1台付けて2階全体を冷やす方法もありますが、ドアを開けっぱなしにしないと冷気が回りにくいので、日常生活でドアを閉める方にはあまりおすすめしません。
3. メーカー・機種選びのポイント
(1)メーカー選定は「特定ブランドにこだわらない」
各社それぞれ長所・短所はありますが、地域の電気店や提携業者が仕入れに強いメーカーを選ぶのが吉。どこか一社に固執する必要はありませんし、むしろ複数のプランを検討して「自宅の予算・サポート体制に合うメーカー」を選びましょう。
(2)リビング用は「自動フィルター掃除」機能を検討
自動フィルター掃除機能があると、フィルターのホコリを約半分の頻度で済ませられるメリットがあります。ただし、初期費用は高めになりますし、クリーニング費用や移設費も割高になるので、コストメリットと手間削減のバランスを見て検討しましょう。
(3)除湿(ドライ)機能 vs 冷房モード
「ドライ(除湿)運転」は内部を極端に冷やして結露水を大量に出すので、部屋が想像以上に冷えすぎてしまうことがあります。特にリビングでは「寒すぎる!」と感じる方も多く、運転音も大きめ。
そのため、一般的には「冷房モード+サーキュレーター併用」のほうが快適&省エネです。エアコンで適度に冷やして、サーキュレーターで部屋全体に冷気を循環させれば、ほどよい“さらっと涼しさ”を得られますよ。
(4)遠隔操作や高性能APF(年間エネルギー消費効率)を意識
スマホやタイマーで外出先から操作できる機能があると、帰宅直前にエアコンを動かせて、熱中症リスクを下げることができます。
また、APFの数値が高いほど1kWhの電力でより多くの冷暖房能力を生み出せるので、省エネ性能も向上。初期コストは少し高くなるものの、長い目で見れば電気代が節約できるのでチェックしてみてください。
4. “つけっぱなし” vs “こまめにオンオフ”
(1)電気代だけで見るとこまめに切るほうが安い場合も
環境や機種によっては、こまめにオンオフしたほうが電気代は少し安くなるケースもあります。ただ、その差は月千円~二千円程度です。
(2)ベネッツ的には「つけっぱなし」を断然おすすめする理由
なぜ「つけっぱなし」をおすすめするかというと、ポイントは“壁・天井の輻射熱”です。夏の昼間に日射で熱が蓄積された壁や天井は、エアコンを切ると再び放射熱を出して部屋を温めてしまいます。
特に夜は、就寝前にエアコンをガンガン冷やしても、壁や天井が熱いままでは体感温度は下がりません。「冷えた空気の下でも、じんわり暑い…」なんてことになると、寝苦しくて睡眠の質も下がりがちです。
それなら、夜はエアコンを“つけっぱなし”にして壁や天井を冷やし続けたほうが、体感温度も下がってグッスリ眠れます。電気代は増えますが、健康的に過ごせることで翌日の生産性もアップ。千円~二千円の出費と考えれば、十分ペイできると思います。
とはいえ、日中まったく家にいない場合はオフでも問題ありません。その場合は、帰宅の30分前くらいにタイマーやリモート操作で“つけっぱなし”に戻しておくと、家に帰った瞬間にひんやり爽快ですよ。
5. 電気代をさらに節約する“4つの基本対策”
「つけっぱなし」にするだけでなく、以下の4つをセットで実行すると、さらに電気代を抑えつつ快適に過ごせます。
1. 遮熱・断熱対策(窓まわり)
窓から入ってくる直射日光は、部屋を暑くする最大の原因です。東西向きの窓には朝日や夕日が直接当たらないようにしましょう。もしどうしても大きな窓を設ける場合は、アウターシェード(外付けシェードやよしず)を取り付けるのがおすすめ。
さらに窓自体も樹脂サッシ+Low-Eペアガラス(中空層にアルゴンガス入り)など、断熱性能の高いものを採用すれば、外気熱の侵入をしっかり防げます。
2. フィルター掃除をきちんと行う
エアコン内部のフィルターがホコリで詰まると熱交換効率が落ちて、電力消費がアップします。最低でも2週間に1回はフィルター掃除を行いましょう。
3. 室外機の設置場所と周囲の状況を整える
室外機の前に直射日光が当たると、排熱性能が落ちて効率が悪くなります。直射を避ける位置に置くか、日よけ用のパネル・よしずを設置しましょう。
また、室外機を囲ってしまうと排気が滞りやすくなります。まわりに十分な空間を確保し、吹き出し部分に障害物がないように配置してください。
4. APF(通年エネルギー消費効率)の高い機種を選ぶ
APFの数値が高いほど、1kWhの電力でより多くの冷暖房能力を生み出せる「省エネ性能の高さ」を示します。初期費用は少し高めですが、長い目で見ると電気代が節約できるので、購入時にチェックしておきましょう。
6. 運転モード・風量設定のコツ
(1)風量は「自動運転」が無難
風を遠くまで飛ばしたいときは「強風運転」がありますが、音がやや大きくなることがあります。一方で「弱運転」は部屋が冷えるまでに時間がかかり、設定温度を低くしないといけないため、冷えすぎることも。
そこでおすすめなのが「自動運転」です。室内温度・湿度に応じて風量を調整してくれるので、快適性と省エネを両立できます。
(2)サーキュレーターを必ず併用する
エアコンだけだと冷気が部屋全体に行き渡りにくく、壁や天井の輻射熱を下げる効率も落ちてしまいます。サーキュレーター(空気循環機)を使うと、天井や壁際にたまった冷気をしっかり拡散してくれるので、体感温度がグッと下がります。
結果として、「設定温度を下げて除湿運転を多用する」よりも、冷房+サーキュレーター併用で“さらっと涼しい”環境が手に入りますよ。
(3)モード選びは基本「冷房運転」でOK
除湿(ドライ)運転は、エアコン内部を極端に冷やして結露水を大量に出す方式です。そのため、部屋全体が思いのほか冷えすぎたり、運転音が大きくなったりします。
それなら、「冷房モード」で設定温度を25~26℃くらいにして、サーキュレーターを併用するだけで十分“さらっと快適”になります。除湿機能を過剰に使わなくても大丈夫です。
(4)“サーモオフ(サーモフ現象)”対策
エアコンは設定温度に達するとコンプレッサーが止まり、内部の結露水が部屋に吹き戻されることがあります(「サーモオフ」や「湿り戻り」と言います)。これを防ぐ方法として「設定温度を28℃にする」という意見もありますが、逆に部屋が暑すぎて快適とは言えません。
おすすめの対策は、
1. サーキュレーターでエアコン周辺にも風を送って、室内全体を均一に冷やす。
2. エアコンセンサー付近に物を置かず、本体周辺が極端に冷えないようにする。
これだけでサーモオフの発生をグッと抑えられます。
7. 施工・メンテナンスの大切さ
(1)施工は「住宅会社提携業者」に依頼
エアコン設置は壁に穴開けが必要ですが、気密処理をしっかりやらないと、せっかくの断熱・気密性能が台無しになります。必ず「ベネッツが提携する電気店」もしくは「住宅会社が信頼する業者」に依頼し、機密パッキンや気密処理を徹底してもらいましょう。
図面段階で配管や穴の位置を共有し、後から開ける場合でも最適なタイミングと場所を決めておくのがベスト。鉄骨やRC住宅の場合は、事前に開口しておくことが多いので、建築プロセスに合わせて相談してください。
(2)電源オフ時の「内部クリーン」機能を活用
多くの機種には「内部クリーン機能(熱交換器乾燥モード)」があり、電源オフ後も内部に残る結露水を飛ばして乾かしてくれます。これを使わずに電源を切ってしまうと、次に使うときにカビ臭や黒い粒が出てくることがあるので注意。
電源オフ前には必ず「内部クリーン」機能を起動して、熱交換器内部を乾かしてから完全停止してくださいね。
(3)シーズンオフ後は“送風または暖房”で乾燥
暑い夏が終わったら、エアコン内部にはまだ結露水が残っています。完全にオフにする前に、最低でも半日以上は「送風運転」や「暖房運転」で内部を乾かしましょう。
これをやらないと、秋から冬にかけて再び運転するときに一気にホコリやカビが吐き出されるので、シーズン終わりのひと手間は超重要です。
(4)2~3年に1度は専門クリーニングを依頼
フィルターをこまめに掃除していても、内部には目に見えないホコリやカビが少しずつたまっていきます。そこで2~3年に1回は専門業者による内部クリーニング(熱交換器・ドレンパン・風路など)をおすすめします。クリーニング後の黒ずんだドレン水を見ると、「やってよかった!」と実感できるはずです。
8. 最後に:重要ポイントのおさらい
- エアコン容量は“高断熱住宅基準”で選ぶ
6畳用でも断熱性能が高い家なら30畳相当まで使えます!リビングは「14畳用・200V」が目安。 - 台数は最低2台設置し、故障時に備える
1台壊れると夏場は修理待ちが長引き、熱中症リスクも増えます。 - つけっぱなし運転で壁・天井を冷やし続ける
エアコンをオフにすると、日中蓄熱された輻射熱で室内が再び暑くなります。夜の睡眠のためにもできる限り「つけっぱなし」がベター。電気代は月千円~二千円程度増えますが、健康と快適性を考えれば十分ペイできます。 - 電気代を抑える4つの基本対策を徹底する
1. 窓の遮熱(アウターシェード/高断熱ペアガラスなど)
2. フィルター掃除を2週間に1回実施
3. 室外機の直射日光を避け、周囲を開放する
4. APFの高い機種を選び、ランニングコストを抑制 - 運転モードは「冷房+自動風量」が基本
除湿モードは部屋が冷えすぎて音も大きくなるため、冷房モードをメインに。サーキュレーター併用で空気を循環させ、体感温度を下げます。 - 施工とメンテナンスを怠らない
穴開けや配管の気密処理は、住宅会社提携の電気店にお願いする。シーズンオフ前には必ず「内部クリーン」「送風乾燥」を行い、2~3年に1回は専門クリーニングを実施しましょう。
これらをしっかり押さえておけば、どんな間取りや生活スタイルでも快適に夏を乗り切れます。エアコンの使い方を「なんとなく」ではなく、科学的根拠と実績に基づいて実践すれば、健康的に過ごしながら電気代も節約できますよ。
さて、最後に一言。
さあ!性能の良い家を建て、これで今年の夏を乗り切りましょう!!
…って、今から家を計画する方は今年の夏には間に合わないので、来年に向け、しっかりと性能の良い家を建てましょうね!